SPACE 創立25周年の軌跡(16) まんざら亭 先斗町

2012-05-14

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1996年、先斗町の元お茶屋の町家を改装して、「まんざら亭 先斗町」のデザインをさせていただきました。まんざらグループとしては初めての町家のお店だったと思います。

計画としては、できるだけ現状を残して町家の雰囲気を味わうことができるようにすること、店のイメージコンセプトとしては、国籍はわからないが、アジアのどこかの国の下町の、薄暗い中に地元の人が集う、得体の知れないお店ということでした。

既存の町家には、急な階段、アルミサッシの付いていない木製窓、路地と舞良戸一枚の壁、等々昔のままで残っているところが多く、1階の床は抜いて、土間としましたが、それ以外はできるだけそのまま残しました。照明器具は山に入り、枯れた枝や藤のつるなどを持ち帰り、僕の手作りとしました。イス、テーブルなどは海外からの輸入品の中より、藤や鉄製の、イメージとしてはシルクロードを伝って、アジアのどこかに定着したような、そんなものを選んでみました。京都では名所の先斗町の、その路地の持つ狭さと雑踏に、この得体の知れないお店が妙にマッチしたと今でも思っております。

残念ながら、手作りの照明は経年のため、今ではほとんど残っていません。玄関の行灯などは、営業中に持ち去られたということでした。

杉木源三