SPACE 創立25周年の軌跡(29) 祇おん 江口

2012-11-15

一流日本料理店で修業を積まれた施主が、独立されるお店のデザインをご依頼いただきました。

お店の立地は、テナントビルの1階で、入口側に既存店が一軒あり、その脇に細い通路があり、その奥に店舗スペースがありました。そこで、座敷を前面に配置することにより、店内に通路をつくり、既存の細い通路と合わせて、京都独特の露地をつくりました。そして、ちょうど店の真ん中に玄関をつくり、カウンター席と座敷に分かれるようにレイアウトを決めました。

若い施主は必要な最小限のことを伝えられ、それ以外はおまかせくださいました。

本格割烹として、施主が腕を十分にふるうことができるように、モダンな和のニュートラルな空間を目指し、できるだけ料理の邪魔にならない素材や色合いを考えて、デザインしました。もうすぐ10年を迎えようとしています。変わらずお店を続けていただいていること、本当にありがたいことです。

杉木源三