コラム「チャレンジ」でお話ししたイタリアンレストランがオープンしました。店名は Vineria t.v.b といいます。Vineriaはイタリア語で酒場という意味、t.v.bは祇園にある、ristorante t.v.bのt.v.bです。つまり、ristoranteをカジュアルにしたVineriaは、アラカルトの料理とシャンパン、ワインなどのお酒を楽しめるt.v.bの2号店なのです。もともとristorante t.v.bは、山口シェフの厳選した、素材の持ち味をうまく生かした料理で評判のお店です。そこが新しいお店をだすということで、デザインの依頼を受けました。
今回は「チャレンジ」でもお話ししたように、素材をテーマにしました。読んで字の如く、素な材料として、ベニヤ、モルタル、貫板などの下地材として使われるものを、床、壁、天井の仕上げに選びました。それらに、アルミ、メラミンなど工業製品で味付けをし、スパイスとして壁面のパネルに化粧目地をいれることにより、ピリッとした緊張感を演出しました。
先日、客として店に行きましたが、人々が集い、シェフが腕をふるい、スタッフが行き交う空間に、素な仕上げたちは主張することもなく、ほどよい背景となって溶け込んでいました。デザインも料理と同じく、素材の生かし方が大切であることを再認識することができた仕事となりました。詳細は、まもなくportfolioにアップします。
杉木源三
Photo by Kazuyoshi Tatsumi