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2011年4月アーカイブ

Portfolioを更新しました

portfolio : public space に 光華女子学園 聞光館  をアップいたしました。




今春、光華女子学園に、創立70周年の記念事業のひとつとして、聞光館と名付けられた校舎が完成しました。
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全体の設計は、安井建築設計事務所がされて、1F、2Fのキャンパスモールのインテリアを、私がデザインさせていただきました。

光華女子学園は「仏教精神に基づく女子教育」という建学の精神のもとに創設されおり、このキャンパスモールの空間コンセプトに、仏教的な意味合いを表現してほしいというのが学園からの依頼でした。
そこで次のように空間コンセプトをまとめました。

人間にとって、居住環境は精神的に大きく影響します。
まず、「仏教精神」という言葉より「お寺」をイメージしました。
お寺の伽藍に身を置く時、人は無条件に清浄な空気を感じるはずです。
それから「阿弥陀仏の清浄な世界」より、天空高く、雲の上の世界をイメージし、その雲の間から現世へ射し込む智慧の光により、学生が華となり、自己の清浄性に目覚め、学業を積み、理想の人間に成長し、現世で奉仕をする、というイメージから、伽藍・雲・光 をサインの3要素としました。


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この要素をデザイン化するため、1階を現実の世界(現世)として、伽藍のイメージと、授業の場へ行く通路に門をデザインしました。
伽藍の柱は天空までのばして自立を表し、列柱として並ぶことにより、共生を表す空間にしました。

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また、和カフェを設けて、日本人女性として、日々のキャンパス生活でお茶を入れる所作を見たり、セルフサービスとする事により自分で運ぶ所作を身につける空間を考えました。
それから、2階の天井を空のイメージから雲をデザインし、雲の上の世界より吹抜を通して現世まで差す後光としての「光」と、学生が華となり、学業を積み、真実に目覚めるための「光」の日だまりを2階に配置しました。

このような空間で学園生活を送る事により、知らず知らずのうちに視覚から心へと思いが伝わり、素晴らしい女性に育ち、社会へでてそれぞれの分野で活躍されることや、初めて訪れる人がこの空間を体感して、学園の教育の理念などをご理解いただけるようになる事を心より願っております。



                                    杉木源三




Photo by Kazuyoshi Tatsumi   




 
110406-1.jpg先日、東京へ行く機会があり、タイトルのEXHIBITIONを見に行った。

そこには、私がデザイン界に足を踏み入れた頃へとタイムスリップさせる空気があった。

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私が武蔵野美術大学を卒業して、京都へ帰ろうか、どうしようかと迷っていたときに、街で会った友人の紹介で、青山のCANという事務所でアシスタントとして働き始めた。
そこは、今は亡き田中一光、粟辻博の両氏が顧問をされている事務所であった。

入った時はちょうど沖縄の海洋博で、田中一光さんがディレクターを務める「日本政府館」のプロジェクトの事務局をCANが担っていた。
そのおかげで、いろいろなジャンルの事務所と交流があり、その中に倉俣史朗事務所、スーパーポテト、内田繁事務所などがあった。
今になって思えば、すごい環境にいたのだと思うが、駆け出しの若僧にはそのすごさを知るよしもなかった。
毎日の仕事にあくせくしていたのである。

でも恵まれていたのは、それぞれのクリエイターのEXHIBITIONや新店舗などのオープニングレセプションなどに参加することができたことである。
倉俣さんのイッセイ・ミヤケのブティックのキャンティレバーのテーブルや、ガラスの椅子などはリアルタイムで体感することができました。

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当然、売られている洋服などは、当時の給料では手の届くものではなかったことは言うまでもない。
けれどその空間の緊張感やガラスの椅子という、既成概念を打ち破る発想などはおよびもつかず、私からは雲の上の存在であった。

スーパーポテトのバー・ラジオや、内田繁さんのバー・バルコンなどに事務所のボトルがキープしてあり、ポテトの下っ端同士で飲んでいると、倉俣さん、杉本さん、内田さんなど、そうそうたる面々が別のテーブルで飲んでいたりして、デザイン界の向かう先はバラ色に輝いている時代でした。

今回のEXHIBITIONを見て、その時代の空気感が蘇ってきました。
倉俣さんが亡くなられた年齢を、私はもう越えていますが、今の私にとっても、まだまだ、はるか雲の上の人であることを再認識したひと時でした。



                                    杉木源三


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